空飛ぶ車椅子社長こと加藤健一のブログ

そうだ、車椅子で美容室へ行こう。

「一応バリアフリーは知っている。だけど、何からはじめていいのか分からない。ていうか、どう接していいのか自信がない。」

本記事は上記のような悩みを抱えている人に向けて書いています。

こんにちは、空飛ぶ車椅子社長こと加藤健一(@kenbo_yamagata)です。

この記事を書いているボクは21歳の頃筋ジストロフィーという難病を患い現在車椅子生活を送っています。人口3万2千人の山形県南陽市を拠点にNANYO BASEという建物で、主に3つの事業を行っています。

僕の基地 NANYO BASE
  • 外出促進事業
  • バリアフリー観光推進事業
  • 就労継続支援事業
空飛ぶ車椅子。パラグライダー体験

上記の事業を通して、障害の有無に関わらず誰もが住みよい社会を目指し日々様々な活動をしています。最近では、様々なメディアに出演する機会も多く、また全国各地から講演などのご依頼をいただく機会も増えてきました。

【主なメディア出演】

Journeys in Japan

【主な受賞歴】

【新聞・雑誌等】

  • 旅行読売の一面に大きく掲載
  • 旅行読売 バリアフリーの温泉記事の特別編にで掲載など多数。

このように、数多くの賞の受賞やメディア出演など、バリアフリーの啓蒙活動に長い年月を費やし様々な活動や挑戦を続けて来ました。だからこそ、見えている様々な視点やアイデアがあります。そんじゃそこらの車椅子利用者と違うと自負しています。そんな僕でも、発病当時は引きこもりがちの生活を送っていました。

全国にいる200万人の車椅子利用者

全国に車椅子を利用して生活している方は何人いるか知っていますか?実は約200万人いると言われています。その数は全国にいる「佐藤さん」よりも多いのです。しかし、日ごろ生活の中で車椅子の方と街の中ですれ違う機会は少ない。もしかすると、家にひきこもってしまっていたり、決まった場所での生活になっている方が多いのかもしれません。あるいは、外に出ることを諦めているかもしれません。車椅子利用者のみならず、体の不自由な方や、足腰が弱ってきたお年寄りの方々など、実に日本人の1/3の方が外へ出ることへの「不安」を抱えて生活しています。

なぜ、車椅子生活になると、外に出る機会が減るのか?

もし、自分が車椅子生活になったらどうなるか想像すると分かりやすいかもしれない。部屋が二階だったら?トイレやお風呂は?想像するだけでも安易分かるが家の中で生活するにも一苦労する。

また、外に出れば雨や雪の日もあるかもしれない。当然、傘をさしたまま車椅子を漕ぐことも難しい。多目的トイレが街の中のどこにあるのか分からない。階段や段差も沢山ある。普段歩いている人なら気にならない、たった2㎝程度の段差でも、車椅子だと引っかかって上手く前に進めないこともある。そんな状況が街のあちこちにあったら。。。

やはり、外に出たいという気持ちにはなれないと思う。病気を患い車椅子生活になったばかりの自分もそうだった。また、車椅子生活になった自分の姿をまわりに見られたくない。そんな気持ちもあった。

健常者と障害者両方を経験している僕だから伝えられることが沢山ある。

そんな思いで、障害者高齢者の方を中心とした外出促進事業として、障害者等用駐車場のペイント活動。ブルーペイント大作戦や講演。空飛ぶ車椅子でおなじみの、車椅子によるパラグライダー体験などのバリアフリー観光推進事業、日本で唯一車の軽整備ができる就労継続支援事業や車椅子でも履きやすいflying jeans の開発販売など様々な活動をしています。

多様な方々が暮らす社会。選ばれるお店へ。

そんな僕に、神奈川県の大和市で、美容室を経営する、かっちゃん(gunners5050)ことガナーズ・ヘアードレッシングのオーナー。サッカー馬鹿美容師の勝村大輔さんから以前こんな相談がありました。

けんぼーこんちわ。
質問があるんだけど。
車椅子の方が美容室でカットするときに必要なものは何かなぁ?わかる範囲で教えて?

それは、ガナーズを以前から定期的に利用していた、あるお客様がしばらくお店に来店されないことを心配して勝村さんがそのお客様に手紙を出したことがきっかけでした。

そして、その手紙にはこう書かれていたそうです。

パーキンソン病を患い歩行困難でお店に行けなくなったと。。。

元気だった頃は、きっと勝村さんに髪をカットしてもらいながら、大好きなサッカーの話とかで盛り上がっていたんじゃないかな。月に1回とか定期的に利用してるお店に行けなくなるのは、寂しくも悲しいものです。

ガナーズの店内

なんとか、そのお客様がまたかっちゃんのお店を利用してもらいたい。その思いから僕が想像できる範囲でその時はアドバイスをさせてもらいました。それから、ずーっと気になって約1年が経っていました。お店のこと、そのお客様がお店を利用できたのか?

意外と知らない自分のお店のバリア。

より詳しいアドバイスをするには、お店の現状を知る必要があります。でも、僕はこれまでガナーズを利用したことが一度もなかった。お店がどんな作りでどんな設備があるのか。この目で確かめたかった。だから、僕はガナーズへ行くことにしたのです。

車の運転もします

僕は鳥取からの出張の帰りに羽田空港から車でお店に向かいました。空港から約40Km。車で高速を走らせること約30分。途中渋滞に巻き込まれ20分遅れでお店に到着。

最寄駅は大和駅

お店には駐車場がないので、お店の道向かいにあるコインパーキングに駐車。タイムズの奥にある中央パーキングがオススメ。(ゲート式)

そこから、車椅子に乗り換え徒歩で移動。(車椅子で移動することを僕は徒歩と言っています笑)

お店は、一階にあり歩道から段差もなく入口はスロープになっていて車椅子のまま入店可能。お店の玄関のドアも広々。お店に入るとすぐ目の前にカット台が6つありました。しかも、取り外し式。カット台に乗り移るのが難しい方は、僕のように車椅子のまま利用可能です。

玄関入口:観音開きだけど、片側だけでも通れる

ちなみに僕は、カットとカラーとシャンプーをお願いしました。かっちゃんに髪を切ってもらうのは初めてでドキドキしました。いつもは、エクスマのマーケティングのセミナーでお会いしたことしかなく、美容師だということは知っていたけど、この人本当に髪切れるのかよと実は思っていました。(大変失礼笑)

念願のかっちゃんに髪の毛を素敵にカットしてもらい、そのままカラー。ここで、かっちゃんがポツリと不安をこぼしました。

オーナーの勝村さん

うち、シャンプー台があるところに段差があるんだよ。カットは車椅子のまま利用できるけど、シャンプー台にどうやって移動する?

シャンプー台は奥の赤い壁の向こう側(今はレンガの壁だけど)
店の一番奥にあるシャンプー台
シャンプー台の手前にある20㎝程の段差

そりゃーそうなります。なんせ、これまで15年経営して来て車椅子で利用するお客さんは僕が初めて初めてですから、当然です。僕は、慣れているので段差があっても何とかなると思ってるので、例えお店が2階にあっても、そこが行きたいお店なら行ける方法を考える癖がついてるので、どんな時も瞬時にアイデアが浮かんで対応できます。

車椅子での段差を乗り越える方法やシャンプー台に移乗する方法やその際の声掛け、あれば便利な道具などを早速アドバイス。そして、勝村さんから出た一声は『なるほど、こんなサポートがあればいいんだね!凄い』『なんか、できそうな気がしてきた』

無事シャンプー台に乗移ることも

この気持ちが大切。お世辞にも決してバリアフリーなお店ではありません。でも、ハード面を改修することなく車椅子利用の僕でもこんな風に美容室を利用することが可能です。

じゃ、何が変わったのか?それは、ソフト面つまり『心構え』です。

やったことない=不安。

これは、お客様にもお店の方も両方にあります。だから、それを解消するためにバリアフリーやユニバーサルデザインという考え方が広がってきました。でも、そこに興味を持つことがなければ、なんとなく知ってるだけで、ほぼ知らないと一緒。

知らないを知る。

一番は、自分のお店を知ること。そして、できることから始めてみる一歩踏み出すその勇気。+車椅子ユーザーwelcomeですよという心意気。たったこれだけでも、今までは利用できないと思っていたお客様にも利用していただける可能性は高まるということ。

最近ではよく、バリアフリーの情報を出している店舗が増えてきた。とても有り難いことです。

ウチでもバリアフリー情報をHPなどに掲載しているから大丈夫。その考えは危険です。バリアフリー情報の開示=その情報を見たお客様基準のバリアフリーだという思い込みに繋がってクレームになる可能性があるからです。

障害は十人十色。その数だけ様々なバリアフリーがある。

そもそも、100人居たら100人のバリアフリーがあります。だから、ハード面だけで全てをカバーすることは不可能。だから、必要なのは、バリアフリーの情報+バリアの情報。

バリアフリーの情報は出すけど、マイナスイメージになるバリアの情報を出すのは意外と勇気のいること。でも、事前にバリアの情報があれば、お客様にも心構えができる。なんなら、そのバリアでは利用できないなと思う方は、お店を利用しない。あるいはお店に相談してくれる。だから、クレームにも繋がりにくい。

その上で、相談の連絡があれば、より細かく伝えることもできる。相手が求めているものは、それぞれ違うもの。そんな時に、うちはバリアフリーじゃないけど、出来ることはサポートします。一人でも多くの方に自分のお店をご利用いただき喜んでもらいたい。それでも良ければ是非ご利用くださいね。そんな風に言われた方が嬉しいもの。

ガナーズのHP
ガナーズのバリアフリー&バリア情報はこちら
  • 駐車場…近くのコインパーキングをご利用ください。引地川公園中央パーキングに障害者等用駐車スペース1台有り
  • 店内入口…段差なし
  • 入口幅…80㎝以上
  • 店内段差の有無…シャンプー台の手前に1段の段差(約20㎝)
  • トイレ…店内のトイレ入口に1段の段差(約20㎝)入口幅約50㎝(車椅子のまま利用不可)
  • カット用の椅子…可動式(車椅子のまま利用可)移乗可能な方はサポート有り。
  • 聴覚障害、視覚障害の方には、筆談での対応。店内のサービスの説明、移動のサポートにも対応します。盲導犬利用可能です。
  • 店舗から一番近い多目的トイレ…マルエツ大和中央店
  • その他…事前にご予約をいただければ店内でのサポートもスムーズです。お気軽にご相談ください。
こんなに喜んでもらえ僕も嬉しい。

最後に、ガナーズはバリアフリーなお店ではないかもしれません。でも、きっと今日から車椅子ユーザーwelcomeなお店に変わるはず。僕もガナーズを利用できて本当に嬉しかった。利用するきっかけになったパーキンソンのお客様もまた利用してもらえたら嬉しいです。

ガナーズの勝村夫妻
4,500万人のマーケットがここにある。

僕が一度お店にお伺いすると 新しい気づきがあってバリアフリーや店舗づくりに大変参考になると大変好評をいただいています。また、低コストで対応可能なハード面のバリアフリー改修のアドバイスや、ソフト面の接遇研修、お店のバリアフリー診断も(有料)にて賜ります。有料でもやる価値はそれ以上。

だって、今までのお客様+アドバイスによって来店できる人が増える可能性が高くなる訳ですからね。アドバイスを受けてそこから行動に移すことが絶対条件。必ず収益アップに繋がります。興味のある方は是非、お気軽にお問合せください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事が神奈川県の大和市の方や誰かの役に立てたら凄く嬉しいです。

空飛ぶ車椅子社長 加藤健一

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