身体は不自由。心は自由。車椅子人生を全力で駆け抜けた男の実話。
年末に『こんな夜更けにバナナかよ』を観てきました。
上映前からずーっと気になっていた映画の一つでした。この映画の主人公の鹿野さんを演ずる大泉洋さん。
映画の予告はこちらから
僕の大好きな芸能人のひとり大泉洋さん。映画では鹿野さんを演じるにあたり10キロ減量して望んだ役者魂。筋ジスの独特の動きを忠実に再現している大泉さんほんと最高です。
病気が進むと、こんな風に腕も上がらないから、電話する時は受話器を誰かに持ってもらうか、肩の方に首を傾けて肩と顔の横で受話器を挟み込むか。
あらすじ
鹿野さんは、34歳。札幌在住。僕と同じ筋ジストロフィーを患い、体で動かせるのは手と首だけ。人の助けがないと生きていけないにも関わらず、病院を飛び出し、風変わりな自立生活を始める。
彼は、24時間365日だれかの介助がないと生きていけない体にも関わらず、医師の反対を押し切って病院を飛び出し、ケア付き住宅で自ら集めた大勢のボランティアに囲まれ、自立生活を送っている。ボランティアの数500名以上。凄まじい数のボランティア。鹿野さんは、「どんなに重い障害があっても地域で普通に生活したい」という意志を生涯貫いた人だった。
そして、映画のタイトルでもある。『こんな夜更けにバナナかよ』これは、ボランティアを演じる安堂美咲役には、高畑充希さんの名台詞。
自ら大勢のボランティアを集め、わがまま放題。ずうずうしくて、おしゃべりで、ほれっぽくて!自由すぎる性格に振り回されながら、でも、まっすぐに力強く生きる。彼のことがみんな大好きだったんだろうなぁ。ただのワガママならこんなに多くのボランティアはきっと集まらないからね。
ただ、自分の与えられた人生を悔いなく全力で生きる姿に共感し感動しました。
常識にとらわれない生き方
そんな映画の中で、数々の名台詞がありますが、この映画は感動ポルノの映画ではない。それを伝える為にいくつか紹介します。
『障害者の世話は家族がするのが当たり前ってこの国の常識に、俺もささやかながら抵抗してるってわけよ』
ほんと、その通り。常識にとらわれない生き方。鹿野さんは家族がいます。父も母も。でも、家族には世話をしてもらうのではなく、ボランティアの人と一緒に自立して生活を送る。
この時点で、ワガママと思う人もいるかもしれない。本当にそうだろうか?障害者は誰かの助けがなければ生活ができないんだから、大人しく家に引きこもることが正しいのか?
こんなことをやりたい。こんな風に生活したい。でも、そんな事言ったら迷惑を掛けるかも。我慢して生活を送る。そんなことよくある話。
映画の中で、母親が自立した生活を送る鹿野さんの家を訪れるシーンでは、実の母親に対して冷たく接する。
でも、そこには鹿野さんの優しさがあった。
母親には自分の人生を歩んでほしい。
痛いほど分かる。ほんとそうだよな。涙が溢れた。自分の心のまま真っ直ぐに生きる。

母親役を演じる綾戸智恵さん
障害があっても、夢や希望を持つことの大切さ
そして、最後に僕のグッと来た台詞の一つを紹介します。美咲の恋人で医大生の田中久を演じる三浦春馬さんの台詞。
『この人のワガママは命懸けなんです。』
鹿野さんの真っ直ぐな生き方に、多くのボランティアが共感し、鹿野さんの思いを受け継ぐ姿。そんな風に思ってもらえる鹿野さんは本当に沢山の人に愛されてるんだと思います。人の持つ本当のワガママは、人の心に響き、人を変えていく。病気なんかに負けちゃいけない。そう心に響く映画でした。難病と闘うなかで自分の気持ちに真っ直ぐに生きることは、簡単なことじゃない。時には喧嘩したり、ボランティアも離れたり。でも、そこに本当の愛情や思いが溢れれば伝わるし。人生は楽しくなる。
鹿野さんの生き様こそが最高のメッセージ
『人はできることより、できないことのほうが多いんだぞ。』
『俺は、1日1日が、勝負なんだ。』
そして、たどり着いたのはシンプルなもの。
『生きるのをあきらめない』。
『人との関わりをあきらめないこと』
僕たちは子供の頃から、人に迷惑をかけるんじゃない”と、教えられてきた気がします。
人に迷惑をかけることを恐れるよりも、自分でできないことがあれば、助けを求める。そして、逆に助けを求められた時には助ける。それが大事なんだと。『頼る勇気を持つこと』、と同時に、『それに応える優しさや心の余裕を持つこと』こうしたことが人との関係性に変化を与えていくきっかけになり、今の日本に必要な『心のバリアフリー』へと繋がっていく。
一人ひとりが、自分の心のバリアを解放することで僕たちの住む街や社会がもっと良い方向へと変わっていくのだと信じています。
僕も鹿野さんに負けないように、一日一日を全力で生きていきます。
皆さんに是非見てほしいオススメの映画です。
大泉洋さんと一緒に車椅子でパラグライダー飛びてぇーなぁーーーーー!!
フォーーーーーーーッ!!
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
バナナ宣伝ボランティアスタッフ 加藤健一
こんな夜更けにバナナかよ 公認サポーター店
NANYO BASE